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NOMLAB : NOMLAB(ノムラボ)は乃村工藝社の空間のプランナーを中心としたプロ集団ですNomura Open Innovation LAB

「場」と「サービス」で出会いをつくる

作成日時:

金原 彩季

金原 彩季
こんにちは。NOMLABの金原です。
一昨年の春、私は一匹の犬を家族に迎えました。
それからというもの、出不精だった私が毎日朝夕に散歩し、週末にはかかさずドッグランへ。ドッグイベントや同犬種のオフ会にも参加しています。
そうした生活の中で、愛犬をきっかけに自分のコミュニティがどんどん広がっているのを感じています。

犬連れの方を見かければ、初対面であっても「かわいいですね!何歳ですか?お名前は?」なんて話しかけるし、ご近所さんに会ってお話がしたくて散歩の時間を見計らったりします。
犬を飼う前の私は、見ず知らずの方に突然話かけるなんてことはしませんし、会話のきっかけもなかったと思います。
ですが、愛犬という共通項によって私の中の人見知りの壁は消え去り、お話したい、仲良くなりたい、情報交換したい。というコミュニケーション欲があふれてきたのです。

今では二回り年の離れたご近所さんと週末にイベントに出かけたり、ドッグランで知り合ったご夫婦と食事をし、映画やファッションの話題で盛り上がる仲になりました。
愛犬という共通の趣味嗜好をきっかけにさらにその人自身を知り、自分が元来持っていた趣味嗜好の範囲外まで興味の分野が広がっているのを感じています。

コミュニケーションが生まれる場とは?

私にはお気に入りのドッグランがあります。犬たちものびのびと遊べて、飼い主同士のコミュニケーションも活発に行われ、とても居心地が良いのです。
東京、千葉、神奈川や旅行先で様々なドッグランに行きましたが、コミュニケーションが活発に生まれる所と、そうでない所があることに気が付きました。それはなぜか?
ドッグランという場を乃村工藝社らしく空間づくりの視点で考察してみたいと思います。

まず、コミュニケーションが生まれにくいAのドッグラン(自宅から車で10分)  

・    背の高いネットフェンスや樹木により、日当たりが悪く芝の生育もまばら
・    入口が狭く奥まっているため、見通しが悪い
・    ネットフェンスにより他のエリアが見渡せない
・    数少ないベンチが固まって配置されており、利用しづらい


次に、コミュニケーションが生まれやすいBのドッグラン(自宅から車で30分)

・    日当たりが良く、芝がきれいに整備されている
・    入口が中央にあり、見通しが良い
・    メッシュフェンスの背が低く、他エリアや外部も見渡せる
・    ベンチが点在して配置され、藤棚や樹木で木陰をつくっている

改めて比較してみると、色々な違いが見つかりました。
Bのドッグランでは、日当たりや見通しの良さなど場の構成が快適性と安心感を生み出し、点在するベンチや気持ちの良い木陰はその場での過ごし方を提供し、居心地の良さをつくっています。「場」と「サービス」の設計が自然とその場にいる人同士のコミュニケーションを活発にしているのではないでしょうか。多少遠くてもそこに行きたいと思える価値があるのです。
ドッグランという場は、地面と囲いがあれば成立しますし、空間設計としての要素は非常に少ないものです。しかし、その場をいかに居心地の良いものにするかによって、その場にいる人々の行動や感情に大きく影響するものだと考えます。
 

ドッグランで愛犬家同士の出会いをつくるアイデア

飼い主がお茶を楽しみながら犬を見守れるカフェスペースがあったり、遊ばなくなったおもちゃ等を交換できるフリーマーケットのような場があると、さらに人同士のコミュニケーションを生み出すことが出来そうです。また、愛犬家には自分の愛犬が楽しめているか。も重要な要素です。そこで、わんちゃん専用のウェアラブルデバイスを考えてみました。

■アプリと連動したワンちゃん専用ウェアラブルデバイス
①アプリからプロフィールを登録し、デバイスを首輪やハーネスに付ける。
②デバイスを付けたわんちゃん同士が触れ合うと回数や時間、その時の興奮度などを計測し、仲良し度がわかる!
③触れ合った犬の情報が記録され、飼い主はアプリからプロフィールを閲覧したりメッセージを送ることが出来る。
愛犬と相性の良い子が見つかると飼い主も安心して遊ばせられるし、ドッグイベントやランへ誘うきっかけをつくります。
このような「場」と「サービス」で会話のきっかけをサポートできれば、より多くの出会いを生み出すことが出来るのではないでしょうか。
 

 

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